今何してる?

たらこ三姉妹の交換日記です。

1年、2つ目の誕生日のように。

 去年の今頃、こんなに寒かったっけ?とふと考える。あまり記憶がない。でもそんなのはいつものことである。大抵、一年前のことなんてのは朧げにしか記憶になく、ましてや去年の今日なにをしていたかなんてほとんどの場合記憶にない。でも10月21日だけは鮮明だった。私にとって、記憶にこびりついている1日。あの日は、少し寒かった。でもやけに晴れていて、日差しが刺さってくらくらしていた。

 


 「二つ目の誕生日みたいな気持ちです。だからケーキでお祝いしようかと思って。」

毎月、病気の具合を確認する検査とインスリンを処方してもらうために病院に通う。そこでこの1年、通院のたびに毎回面談をしていた管理栄養士の方に笑いながら話した。2つ目の誕生日。この1年、生まれ変わったようだった。今まで自分が健康な身体を持っている人間として、いかに見えないでいた部分があるかを思い知った。初めて物事に触れる赤子のように知らないこと、見当もつかないようなことばかりだった。

 倒れて、体調不良の原因がメンタルの問題でもちょっとした疲れでもなくれっきとした病気だったということがわかった日。それから1年が経つ。1型糖尿病というわかるようでわからないような病気。あれから随分と詳しくなって今では自分が自分の主治医みたいなところがある。まだ1年目でひよっこだけど。

 それでもまだ、なにも解決していない。最近は病気である自分を持て余している。一年前、初めて診断がついた時のように向き合う元気もなくじっと今を生きて、日々体調を落ち着かせることに精一杯で。血糖値の上がり下がりは気持ちにも関係するらしく、感情の上がり下がりについていくのも難しい。少しのことでも苦しくなるくらい悲しくなったり、逆に気持ちが昂ってしまってなかなか眠りにつけない時もある。大抵血糖値と連動している……気がする。「頭が体を動かしている」なんてのはこういう状況になってみると嘘みたいなもんで、頭はあくまでも体の一部でしかなく、身体と頭(思考)は密接に関わっていることを痛いほど感じる。

 解決する/しないの問題ではないことは分かっている。治らないなりに向き合い方があるはずだとも。でもそれを模索する気力が今はない。じっと、静かにうずくまっている。

生きていくのは難しい。

 


 本当は1年経って、散々体調不良でうまいこと行かなかった日々から抜け出して「もっと安定した自分」のことを書けると思っていた。というか、そういう自分を書こうとした。でも今の私にそれは少し難しい。正直にここに書き残しておこうと思う。昔のようにできないことも増えました。でも少しずつ進んでいます。たまに戻ることもあるけれど、立ち止まることも多いけど私なりに、少しずつ。

 

2021.10.21

 

おまけ

f:id:tarak03:20211022175840j:image

いつも空は不思議だよ。

最近は「作ること」ができない分、読書をしたりしてインプットをする時間だと思って暮らしています。最近面白かった本は「古都の占領」と「あのこは貴族」