今何してる?

たらこ三姉妹の交換日記です。

あの映画、観た!@仮設の映画館

「仮説の映画館」って知ってますか。

これ。

 

 

www.temporary-cinema.jp

 

 

地域にある

ちっちゃくて面白い劇場を支えたいし、

あの映画も見たいけど、

でも足を運ぶのはちょっと気が引ける、、、、

という気持ちに答えてくれたこの仕組み。

 

オンラインで映画を観るのは今や数百円、

もしくは月額千円以下で見放題なんてこともできちゃいますが、

この仕組みは

映画の製作者・配給者・劇場

の3つの人たちを支えるためのものなので、

劇場価格です。

映画1本1800円。

で、どこの映画館で観たいか(お金を払うか)を選べます。

 

そんで、こないだ観たかったの観たーーーー!

『プリズン・サークル』。

日本の刑務所の中を映したドキュメンタリー。

2分の予告も貼っときます。

youtu.be

 

この舞台となってる刑務所は

たぶん、多くの刑務所とは違ってて

TCっていう取り組みがあります。

 

TCとはなんぞ。

以下、『プリズン・サークル』HPの説明より。

 

TC(セラピューティック・コミュニティ)

Therapeutic Communityの略。「治療共同体」と訳されることが多いが、日本語の「治療」は、医療的かつ固定した役割(医者―患者、治療者―被治療者)の印象が強いため、映画では「回復共同体」の訳語を当てたり、そのままTCと呼んだりしている。英国の精神病院で始まり、1960年代以降、米国や欧州各地に広まった。TCでは、依存症などの問題を症状と捉え、問題を抱える当事者を治療の主体とする。コミュニティ(共同体)が相互に影響を与え合い、新たな価値観や生き方を身につけること(ハビリテーション)によって、人間的成長を促す場とアプローチ。

 

ちょっと難しい。

私が受けたTCのイメージは、

ワークショップみたいな。

講師がいて、お題があって、

それについて参加者30人くらい(?)が話す。

時々3〜4人のグループになって話すこともある。

自分の家族のこと、とか

自分の過去を第三者目線の物語にしたり、だとか

あと

実際にその輪の中にいる誰かが犯した犯罪について、

被害者側と加害者側に分かれてロールプレーイングしたりとか。

 

TCについてはそんな感じです。

この映画はTCの風景が主。

では本題。

 

わたし、これ観れて

すごくよかった。

 

まず、

この映画でモザイクかかってる、罪を犯した人たちは

被害者でもあるんだと思った。

予告にもその言葉が出てくるけど、

そう。その意識がある。

加害者である以前に被害者、

という見方を学んだ。

 

それに関連してもう一つ、

「帰る場所があるって感覚がたぶん、本当にない」。

(『プリズン・サークル』予告編より)

安心できる場所、

サンクチュアリがないんだと

彼は言っていた。

 

 

彼らは、TCという場で、

自分が思ってることを言う。

そこはセーフな場。

他の人は、黙って聞いている。

 

自分の事件に対しては

真正面から向きにくくても、

他の誰かの事件は

冷静に見れる。

このことがきっと

自分を見ることにつながっているんだと思う。

 

 

映画を観たそのあと、

日記にその感想を書きながらふと思い出した言葉。

 

話す=放す

 

たらみ氏が前回紹介していた

水野スウさんの言葉。

 

話さないことには誰の話も聞けない。

両手に抱えて、でも抱えきれず

溢れてこぼれ落ちるくらいになっているそのものを

放さないことには誰のことも受けられない。

 

相模原事件の彼が、

もしTCを受けられたのなら

なにか変わっただろうか。